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こちらは、主に素直でクールな女性の小説を置いております。おもいっきし過疎ってます
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死線(仮) 4-0~1. 素直クール作品 

 4.
 未成年の性行為は危険だ、といった教育的観念は決して嘘ではないが、僕の結論は正直次元の違う感想を持った。危険ではある、実際に身の危険を感じた。しかし、教育観念の危険性と僕が感じた危険性とは異なり、性行為の依存性が強く実生活に支障をきたすほどだった。
 教育理念でいう所の性行為における危険性は――先に断っておくが、中高と受けた性教育の説明と自己で調べた危険性を差している――未発達の未成熟の身体に生殖器を挿入する行為により、ホルモンバランスを正常に機能出来なくなる危険性を孕み、手法によっては心的外傷《トラウマ》を植えつけてしまう恐れがある、としている。まあ、自身の勉強不足が露呈して遠からず近からずといった危険性も同じく孕んではいるが、性行為観念は粗方この認識だ。
 対して実際に性行為を行った場合に感じた危険性は、大まかな依存性だた一点だった。しかしながらその一点が、教育理念や社会的絵空事を完膚なきまでぶち壊し、バベルの塔を崩さずとも吹き飛ばす、といった半端ではない辛辣なものだった。炸裂する快楽、凄まじい愛情、訳も分からず罪悪感すら覚えるほどの性交渉後の余韻、まどろみを味わった直後の反射的に再度訪れる高まり――そして繰り返される終わりのみえない性行為。
 このような超絶した快楽を高校生のガキが覚えてしまうと、成熟していない精神が破綻し、自制する事すらままならなくなる。寧ろ自制しなければならない必要性を、全くといっていいほど理解に苦しんだ。危惧するならば、したくなったらすればいい、そこに形は別としても愛情というものがあれば、なんら問題はないと感じてしまう事だ。
 性行為の危険性であり問題提議は、依存性が体を腐蝕し性行為を最優先としてしまい、それ以外の事柄を疎かにしてしまう。最悪の場合、全てを放棄――放置してしまうという負の魅力を持ち合わせていた。更に正常の判断が出来なくなり、暗に愛情を仄めかし――愛情の再確認、愛の果てにある受胎行為ではなく――快楽のみを求める事となる。満足に将来を見据える事を否定する強烈な快楽が、依存して蝕んでいく。
 性行為を覚えたての頃……僕は一心不乱に勤しみ、快楽に取り込まれ脳は過度のドーパミンの噴出に耐え切れず腐敗していった。性行為が全てで快楽に溺れ狂い、まともな判断もできないままに夏が過ぎ秋も暮れ、冬の最中だった。ソラと出逢いが僕の切欠になり、ホダネとの出逢いが僕を悄然と溶かしていった。


 ☆


 浴びせるような日差しを吸い込んだ緑々しい葉は、栄養高い地盤に脈々と根を巡らせる大木から元気に乱れていた。夏を感じソラを感じ、熱狂的に全ての熱を感じ続け、常に茹った脳味噌は沸騰寸前だった。徐々にではあるが、ソラの身体に脂肪が付き始めたのはこの頃だ。すらりとした肉体に円みが帯び、もっとも改善点だった抉り込むように鋭角に尖った顎が、にわか和らいでいく。後は頬が常に膨らみ、僕にとって最重要視している“下膨れ”の出来上がりを待ち焦がれていた。流石にソラの雰囲気は、一見して以前より変わる印象を持たれないが、黙々と月日を重ね“ぽっちゃり”のフォルムへと変貌していった。
 夏休み開始の合図――終業式の放課後、僕はホダネを連れたソラに呼び出され告白を受けた。返答は、迷うことなく承諾した。告白を受ける場所としては適当なのか、気になる程度に寂びれた人気のない場所だった。学校校舎の裏、僕も一度しか来たことがなかった草木が生い茂る場所になる。
 ソラは僕のフェチズムを概ね把握している、自分なりの基準に当て嵌め、脂肪の付き具合に及第点が出たのだろう。「君の判断に委ねるよ」と言って、ネクタイをスルスルと抜き、ブラウスのボタンを上から一つづつ外していく、裾はスカートの中に入れたままブラウスは垂れ下がり、質感が良さそうな肌が露になった。想像――妄想を繰り返し、ソラの顔に脂肪が付き始め、更にそれらを想定して虚像を広げ続けた。その答えが目前に現れた。
「ソラの成長振りに目を見張る物がある。その頬は及第点だけど、成長過程が窺える。若干腰の肉付きに物足りなさを感じるけど、今後に期待を持てるよね。こんな偏屈でコダワリの塊の僕で良かったら、こちらからお願いしたいよ」
「正直、まだまだ君の想い描いている身体には仕上がっていないと思って、自信がなかったんだけど……悪くなかったみたいだね。それと、君のフェチズムへの固執感、病的なまでの執拗さに胸を打たれた。どんな形だったとしても、無駄にエネルギーを垂れ流していない漢なんて、全く興味がないしね」
「まあ、自分でいうのもアレだけど、キモイわな」
 そこまで適切に指摘されると、自嘲はしないとしても苦笑するに至った。
「まあね、それは仕方ないさ、本当のことだから」
 ソラは微笑を浮かべた。そうして両手を背中に回して、レースの刺繍がなされるパステルカラーのイエローに彩られたブラジャーのホックを外した。この肉体改造のため必要以上に量感が増した乳房は、押さえつけられていた生地が捲れ、少々弾んで顔を出した。弛む事はあまりなく、張り詰めているようにバウンドを繰り返す。僕は思わず、掌を押し付けていた。指が吸い込まれていく感覚、汗ばんでシットリとした質感が手に関連する全ての部位に纏わり付いた。
「凄い……」
 未確認の感触に声を洩らしていた。既に僕の掌は止まらない。小刻みに震える掌を抑える事も出来ず、ただひたすら胸を揉みしだいていた。すうっとソラが僕の肩を引き寄せて抱きしめる、肩に顎を載せ囁いた。
「君にしては大きすぎると懸念していたんだが、この分だと問題なさそうだな」
 僕はしがみつくようにして、頭を縦に下げた。ソラは満足気に僕の耳をしがみ、求める先への発展途上の身体で締め付けた。追い込むようにして、ソラは桃の香りがするトリィトメントの匂いを顔中いっぱいに漂わせた、ツン――と鼻を打ち、僕はしこたま吸い込んで脳が刺激される。くらりと眩暈を覚え、うな垂れるようにソラの身体に身を預けた。
「ソラさん、半端ないです」
 生半可ではない視覚と嗅覚、そして触覚に聴覚――ソラの身体に、のめり込んでゆくように感じた僕は、フルに全神経を刺激され、経験にない事柄が僕をたじろかせた。込上げてくるフェチズムによるリビドゥは、そのふっくらとした脂肪感溢れる身体に貪りつけ、と僕を後押しする。いや、後押しどころか、背中を強引に蹴られ突き落とされる感覚だ。
 ソラは目尻を緩ませて、ほくそ笑み、囁いた。
「半端ないですか、それは良かった。すると……キスをすると、どうなると思う?」
「宜しくないと思います。安全という保障は一切ありません」
「そうですか、それは良かった。では」
 ソラの厚ぼったい唇が触れ合った。僕の唇の上から、生暖かい粘膜に塗れたソラの唇が蠢いた。歯がぶつかり、硬く乾いた音が唇を経由し電気信号として脳へ伝達する。質量感、全てが興奮材料だった。
 既に充血していたペニスはスラックスにテントを張らせ、四重にもなるバリアー越しにソラのヴァギナを小突く。トランクス、スラックス、スカート、ショーツを押し付けて、隔壁の襞に擦りつける。一度始めると、加速度的に摩擦し続け、動きを止めることなど不可能だった。混濁した視界の中、腰だけが意識を持ったように馬鹿になるほど突きまくった。ソラの体がペニスに突かれ持ち上がる。
 僕の首に纏わりつくようにしてソラは圧し掛かり、軽く悶えた。
「勘弁して下さい」
「――僕の意思では、無理です。おちんちんに聞いてください」
「お願いできますか?」
 ソフトタッチで、ペニスのラインをスラックス越しに滑らせたソラは伺う。……無言のまま、下半身を中心にして静止した、しかし制止した訳ではなかった。点と点を結ぶように意識が飛び始め、気が付くと――ソラの背中を校舎の壁に押し当て股に膝を突っ込む、そして身体を持ち上げて、胸の谷間に顔を深く沈み込ませていた。撥ね返すような弾力性に富む乳房に包み込まれた僕は、息をすると空気の抜けどころがなく、水分混じりの熱い息がべったりと互いの肌を蒸らした。
 圧迫する乳房の質感を頬で感じ、脳が融解しタプタプと波立ち朦朧としながら、ソラを揺らし続けた。途切れ途切れにソラの喘ぎ声が聞こえる。僕は集中し続けた。
「やばい、やばいよソラ。マズイって」
 不意に声が掛かるような気がした。しかし止まらない。
「ソラ、ソラったら」
「ああ、そうだよね」
 急にソラは肩を押し出し、僕の身体を引き剥がした。
「未練はあるが、このあたりのしておこう、な?」
「やだ」
 無意識に零していた。
「アンタは小学生のガキか」
 ソプラノの声音が畳み掛けた。よく分らないまま、霞がかった視界の中でソラが映し出された。割り込むように女性の顔が現れた。まあるい瞳にふっくらとした頬、毛先が広がり“下膨れ”が露になった――ホダネだった。
 荒々しく肩が上下し、僕は呼吸を整える。肘に手をついて、深く空気を吸い込み深呼吸した。ソラは切ない悲鳴のような吐息を洩らす。ホダネは手を胸に置き大きく縦に揺らす、頬を赤らめている。
 時間を凝縮したように密度の高い出来事の連続で、加速度的にソラと惹かれあった。無我夢中でソラを貪り、ソラを求めていた。この味を占めると引き戻せない、この先容易転がっていくさまを安易に想像出来た。
「あのね、君の気持ちも解るけどさぁ、見てみなさいよソラの背中」
 頭を掻きながら、ホダネは溜め息を吐く。「ほらぁ」と諭すようにして僕を一瞥、ソラの肩を強引に回して背中を見せつけた。
「もう、ホダネ……いいから」と、ソラは消沈する、振り向きざま苦笑が窺えた。
 見せつけられた途端、言葉を失った。ソラの背中の両肩甲骨辺りに、痛々しいまでの傷が拡がっていた。皮膚が捲れ上がり、細胞から結晶板が溢れかえるほどに血液が噴き出し、傷口を滲ませる。背中をコンクリートに打ち付けていたため、白の粉塵が傷口にこびりついてピンクに汚れている。砕かれた小石程度の破片が、全域に渡ってめり込んでいた。
 込み上げる罪悪感に苛まれ、僕は……戦慄した。
 何も言えず立ち尽くす。ホダネと目を合わす事は恥かしく、ソラに対してはバツの悪い思いが込上げ、僕は頭《こうべ》を垂れ平伏《ひれふ》した。
「いくよソラ」
「次回は本番だね、楽しみにしているよ」
 ソラはホダネに連れられ退散した。ゆっくり二人が去っていく背中を上目で眺めていた。ソラの腕に引っ掛かっていたブラを両肩に掛け、背中へ手を回してホックを装着する。肩と背中の肉が紐に食い込み、盛り上がりを魅せていた。肩の脂肪もさることながら、背中の贅肉の食い込みように引き込まれた。あのブラの紐が肉に貼り付いて脂肪が肉内を移動、パステルイエローの紐を上下五ミリ程度埋めていた。興奮冷めやまない互いの身体を推察すると、汗ばんだ肉はしっとりとしてブラの縁が黄ばみ、汗疹が出来るほど赤く腫れるはずだ。その脂肪感の“ぽっちゃり”を想像するに当たり、過度に硬化したペニスの先が塗れきっていて、精子混じりの半濁液が垂れ流れていた。
 戦慄していた僕は、意思に反してトランクスの中に手を入れていた。ソラの後ろ姿を直視しながらペニスを握り、皮を上下にシゴいて刺激を与えていた。自身から分泌された体液に塗れる陰茎はぬめり、射精は時間の問題になる。逝く寸前、射精感が訪れた瞬間、僕はソラに送っていた視線を動かしてホダネにやった。
 ――出る。
「ソラ」
 そう名を呼び、果てた。視界に入っていたホダネの情報は脳に送られている、視界には入るが僕は認識しない幾重にも折り畳まれたソックスの上、短めのスカートの下、その間に仰々しいまでの存在を示す“太もも”を視界に留め発射。ソラに欲情しつつも、ホダネの持つ太ももはソラの太ももよりも優《まさ》り、無意識にその視線を変更する行為を行っていた。ホダネの持つ太ももは“ふともも”までの可能性を秘め、現時点での“ぽっちゃり”の評価をホダネとしてしまう現実は、残念ながら自然の流れに沿っていた。
 僕はソラに惹かれてはいるが、ホダネにも惹かれている事実は否めない。以降確実にフェチズムの先“ぽっちゃり”に二人は移行していくであろう。期待が膨らみ充足される想いに包まれる、そして罪悪感はあまり感じる事はなかった。

  1. 2006/10/15(日) 23:38:02|
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